国指定名勝・堀庭園で樹齢300年の紅葉を満喫してみた
津和野町から県道17号線を北へ約8キロ、小高い丘の上に旧堀氏庭園はある。国指定名勝にも選ばれた庭園は、四季折々を楽しむことができる。今回は津和野町観光協会主催の秋の紅葉ライトアップイベントに参加した。
文/前田千晶(2015/11/11)
国指定名勝・堀庭園の屋敷にお邪魔する
あたりには街灯がほとんどなく、一歩足を踏み出すのにも勇気がいる。そんな暗闇のなかに突如、浮かび上がってくるのが旧堀氏の庭園である。門前にはロウソクが灯され、まるで今でも人が住んでいるかのようだ。
タイムスリップしたような感覚をおぼえながら、奥へ進む。銅山採掘で繁栄したことで有名な堀家。欄間(らんま)には鷺(さぎ)があしらわれており、屋敷に備え付けられた古い金庫も見ることができる。実に立派なお屋敷だ。
シュー栗ームを食べながらレコード鑑賞
ひと通り屋敷を見て回ったら、レコード鑑賞の時間。レコードを聴きながら、美味しいコーヒーと紅葉を楽しもうという企画だ。さっそくコーヒーを注文する。レコードプレーヤーからは、ベートーヴェンが流れていた。
「このレコードも堀家のもの。長いあいだ使ってないから、カビが生えてしまってるね」
そういって一枚一枚、慣れた手つきでカビを拭き取っていく。
深沈(しんちん)と夜も更け、暖をとろうと火鉢をかこむ。
「堀家は銅山を掘って、中国地方で2番目にレントゲンを取り入れた病院をつくった。学校も建てた。今の津和野にめちゃくちゃ貢献しとる」
人が集まれば、津和野の歴史から地元の話まで、会話は弾んでいるものだ。
楽しいお喋りの時間を過ごしていると、美味しいものが運ばれてきた。
今日の夜食:
コーヒー、シュー栗ーム×2(美味しいと言っていたら、一つご馳走してくださった)
樹齢300年の紅葉
縁側にでて、本日のメインである紅葉を眺める。樹齢300年と言われる紅葉は圧巻。庭に出て、橋を渡り、池に浮かんだ葉っぱを眺める。堀氏もこの庭を気に入っていたのだろう。
花より団子にならず、紅葉もシュー栗ームもどちらも楽しむことができました。ゆったりとした、とってもいい夜でした。