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喜時雨の収穫祭で巨大巻き寿司をつくる

喜時雨(きじゅう)。「雨の時を喜ぶ」と書くその地域は、生活の中心を農としている。
しかし、近くに川はなく、あるのは小さな湧き水のみ。非常に厳しい土地である。
だからこそ、昔から雨を喜び、この地名になったのだという。
喜時雨は、津和野城下から山ひとつ越えたところにある小さな集落だ。
今回は、そんな喜時雨での収穫祭にお邪魔させていただいた。
文/前田千晶(2015/11/05)

祭りの準備に参加

車で向かっていくと、水色で彩られた「収穫祭」の文字が見えてきた。
もう既に収穫祭の準備をするため、あたふた、けれど楽しそうに人が行き来していた。
はじめましての挨拶をすれば、「よく来たね!」と握手を求められる。

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すでに祭りの準備が始まっていて、新米の炊けるいい匂いがあたりに広がっていた。
飛び入り参加した者がうかうかしてはいられない。台所で私も準備に参加した。
私もお手伝いをしながら、おこげをつまみ食いさせていただく。
「喜時雨では米を昔ながらの方法で育てていて、直播きなの。刈るときも機械は一切使わないのよ」と、奥さん。
その言葉通り、喜時雨の米は実に美味しかった。

そんな奥さま方の足手まといにはなるまい、と動きまわる私。知らないうちに12時が過ぎていた。
台所にいた私は餅つきや、猪の丸焼きが始まったことに気がつかなかったらしい。

外でお手伝いしていた友人に、どうして声をかけてくれなかったのか?と聞けば、
「つきながら、お餅に野菜を混ぜていて、色がすごく綺麗だったんだ。いやぁ、写真撮って欲しかったなあ」
なんて軽く自慢されてしまった。それを聞いて丸められたお餅のところへと急ぐ。
そして目を見張る。野菜だけで、ここまで綺麗に発色するのか、と驚いたのだ。
紫は紫芋、黄色はかぼちゃ、緑はよもぎ。

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猪の丸焼き、黄金色の芋煮

猪は既にもとのかたちを留めてはいなかったが、丸焼きというだけあって、ものすごい迫力だ。
これはいわゆるスペアリブ、というやつであろうか。男手でもって、豪快に切っていく。
よほど食い入るように見てしまっていたのか「手を出してごらん」と旦那さん。
またまたつまみ食いさせていただいた。塩胡椒だけで、美味しい。

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芋煮もいい具合に煮込まれていた。
蓋を開ければ、黄金色の煮汁と地元野菜が顔を出す。
「後でのお楽しみよ」なんて言われてしまったら、準備にも力が入る。

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巨大巻き寿司をつくる

収穫祭最大の目玉は巻き寿司づくりだ。
「巻き寿司は協調性がないとできんよ」。思わず口からこぼれるのは、巻き寿司がとっっっても長いから。

この巻き寿司をつくるにはいくつかコツが必要なのだ。
それは海苔をノリ(ご飯つぶのこと)でつなげ、ご飯を手早く伸ばすこと。
「手早く」が重要だという。ご飯伸ばしをのんびりしていると、ふやけた海苔が破れてしまうらしい。
それから、具を順に置いていくのだ。

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全員で一列にならび、先頭の「せーの」の掛け声で一斉に巻いていく。

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ご飯や具の量が違い、すこし太さの変化があるこの巻き寿司を、地元の方は「獲物を食った大蛇よ」と言っていた。
今回は9,48mにもなった巻き寿司。去年よりも長くはなったらしいが、「来年こそは10m級を……!」という声が聞かれた。
※5メートルのメジャーだったため、5メートル+4.48メートル

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今日のごはん:
おにぎり、芋煮、柿とカリフラワーのサラダ、コールスローサラダ、シイラのお刺身、ベーコンと白菜鍋、中華風のなにか、猪の丸焼き(もも肉、スペアリブ)、柿とキウイ、大根とハスの酢の物、奈良漬け、超濃厚手作りおいもアイス、お餅、巻き寿司

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突然お邪魔したのに、たくさんご馳走になってしまった。
喜時雨の方々との楽しいお喋りに、地元の食材をふんだんに使った料理たち。贅沢な時間を過ごすことができました。

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