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青汁の素を育てて、日本酒も造る?!半農半Xの若者・金田信治さんにインタビュー


こんにちは!

ライターの前田健吾です!

 

皆さんは、’’半農半X(えっくす)’’という言葉を聞いたことはありますか?

簡単に言うと、農業だけではなく別の仕事をして生活費を稼ぐスタイルのこと。

暖かい時期には農作業をして、作物を採れない冬の時期に別の仕事をやるのが一般的です。

地域の酒造で蔵人として酒造りに励む人は昔は多かったそうですが、近年はそのような人は少なったようです。

 

津和野には、20代前半で都会から移住して、半農半Xのスタイルで仕事をしている1人の男がいます。

その名も、金田信治(カネダ・シンジ)。

一体どのような経緯で移住してきたのか?

半農半Xの魅力とは?

今後の展望とは?

 

湧き上がる疑問をぶつけようとお話を伺ってきました!

 

 

縁の下の力持ちとして貢献できる存在に

 

 

ー金田さん、こんにちは!今日はよろしくお願いします!今回は’’半農半X’’の人、そしてIターン移住者として、色々とお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

 

金田さん:

よろしくお願いします。農業に関しては自分でケール(※1)を栽培するのと、住んでいる集落で行う農作業を半々くらいの割合でやっています。先輩方からは、『お前は、半農半’’半X’’だ!』なんて言われることもありますが(笑)。

 

 

ーハハハ!それだけ金田さんが地域の方から愛されているということですよね。津和野に移住するキッカケって何だったんですか?

 

金田さん:

生まれは神奈川県で東京の大学に通っていたのですが、ある時から家にこもり気味になったんです。この生活から抜け出したいという気持ちから、地方移住を促進するU・Iターンフェアに参加したんです。その時の一番最初に当たったブースが津和野で、他の自治体もどこも一緒だろうと思って、現地での産業体験ツアーに参加することになったのがキッカケです。

 

 

ーいきなり津和野町という縁もゆかりもない場所に移住するのは、大きな決断ですよね。単なる地方自治体という以上の魅力を津和野に感じていたのでしょうか?

 

金田さん:

元々、中山間地域や農業には興味があったんです。中山間地域には昔から脈々と受け継がれてきた知識や技術を持った人たちがいますが、後継者がいないことから、そういったモノは廃れていくだろうと思っていたんです。けれど、それってすごくもったいないことで、僕はそれを受け継いで自分の価値にも繋げたかったんです。

また、祖父母が農業をやっていたことや大学で農業を学んでいたことから、地域での農中心の暮らしができる地への移住は考えていました。

 

 

ー農業に関して言うと、金田さんは自立した1人の農家ではなく、農業法人に所属するというスタイルを取っていますね。

金田さん:

誰かとチームを組みながら農業をやりたかったんです。というのも、農家の1人として独立するということは社長になるということ。農作業以外の、会計やスケジュールなど様々なことに気を配らないといけない。それよりも、集団の中で縁の下の力持ち的な存在として、手足を動かす人になりたかったんです。

 

ー農家さんは’’百姓’’とも呼ばれますが、これは元々は100の技術を持つ人と言う意味だそうですね。しかし、地方の若者が都市への流出によって、そうした伝統技術は廃れていっている現状があります。金田さんのような気概のある若者は、とても貴重な存在だと思います。

 

金田さん:

介護の資格も持っていたし、最悪農業でなくてもよかったんです。今は農業法人『おくがの』に所属しているので、草刈りや稲刈りの手伝いなど、集落のための仕事をすることも多いです。そうやってチームとして動くのは、自分を生かしている実感があるのでやりがいを感じています。

 

 

ー地方に若者は少ないですし、一次産業となるとなおのこと高齢者中心ですもんね。

 

金田さん:

正直言うと、あんまり頭を使う仕事はしたくなかったんです(笑)。身体を動かすことは好きで力仕事の需要はあったので、丈夫な身体と体力は重宝されましたね。

 

 

誇り高き伝統技術を受け継いでいる喜び

 

ー金田さん自身、農閑期には町の古橋酒造で蔵人もされていますよね。キッカケはどのようなものだったのでしょうか。

 

金田さん:

古橋酒造が蔵人を探していたことから、役場の方が僕を紹介してくださったんです。『それならピッタリなヤツがいる』と(笑)。農業だけだと経済的な不安がありますが、農閑期に蔵人もできるとなると通年で安定して収入も得ることができるのは大きかったですね。

 

 

ー金田さんは1つのことに没頭するタイプですし、蔵人として酒造りを担うこともすごく向いている気がします。

 

金田さん:

手を動かし続ける作業はあまり苦ではないですし、歴史ある伝統技術を受け継いでいることは僕にとっては大きな誇りです。

あと、僕は農業でお米作りも手伝っているので、酒造りも含めて年中お米をいじっていることになります。そうして、ずっとお米の側に入れる幸せはありますよ(笑)。

 

 

ーアハハ!そう言われてみると、半分農家で半分蔵人っていうスタイルの魅力がグッと感じられますね。他に、このスタイルのメリットってありますか。

 

金田さん:

蔵人として酒蔵で働いていると丸一日光を浴びないこともあるんですが、休みの日に農作業をしたり、春とか水揚げや草刈りをしたりしていると『あー光だ!』みたいな!(笑)あの瞬間が、めちゃくちゃ気持ちが良いんですよね。

 

 

ー最後に今後の展望について教えてもらえますか。

 

金田さん:

仕事に関しては、そのために、身体を健康に保つことは意識していきたいですね。そうやって安定してお金も稼ぎながら、幸せな家庭をこれから築いていきたいと思います。

 

あとこれからの移住を考えている人に言いたいのは、この地に骨を埋める覚悟で来た方がいいということ。地域住民の方にその気持ちが伝わることによって、受け入れ方や伝える内容も変わってきますから。

 

 

ーなるほど。金田さん自身がそのような気持ちでいるからこそ、地域の方も積極的に関わり、また知識を教えてくれるのですね。

 

金田さん:

移住者や若者というだけで知識を教えてくれるなんてことはなかったですけど、伝えていただいたことは素直に受け止めるという気持ちでやってきました。体力もまだまだありますし、これからも必要とされる所にとにかく飛び込んでいきます。

 

 

ー地域産業の未来を担う存在として、これからも応援しています。ありがとうございました!

 

金田さん:

こちらこそ、ありがとうございました!

 

ケール(※1)=青汁の原料となる野菜のこと

 

 

最後に、「必要とされる所に飛び込んでいく」と力強く伝えてくれた金田さん。

その言葉の裏には、自身の体力に自信があることももちろんですが、自分がこれからの産業、ひいては地域の未来を担っていくんだという気概を感じます。

かつては都会で落ち込んだ日々もあった金田さんです。

津和野という地で自身の価値を発揮し、自分の存在意義を感じながら、金田さんは日々イキイキと暮らしています。

 

 

(文・写真/前田健吾)

 

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