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集え!水の神よ!火の神よ!暴れる狂う’’裸の漢’’と’’ハッピの衆’’に祀られる”2大奇祭”をご紹介!

 

 

 

こんにちは!

ライターの前田です!

 

祇園祭、天神祭、ねぶた祭り、神田祭…。

祭り大国日本には、時に数万人と集まるような大きな祭りがありますが、それらは比較的都市部で開催されることがほとんど。

しかし地方にいくと、春の訪れや秋の収穫を祝うなど、地区単位の小さなものから町ぐるみまでたくさんのお祭りが開催されているのです。

 

ここ津和野でもた大小様々なお祭りが開催されており、貴重な若手の担ぎ手は色んな所に引っ張りだこなのです。

 

今回はそんな数ある町のお祭りの中でも、他の地域ではあまりないと思われる2つの奇祭を紹介します。

その名も日原地区の『裸神輿』鷲原地区の『暴れ神輿』

僕は、3年連続3回ともどちらの神輿にも参加している唯一の町民なのです。笑

 

実際に参加している者だからこそ伝えられる2つの祭りの魅力を、皆さんに紹介していきます。

ちなみに、僕が書いた過去の体験レポート記事もありますので併せて読んでもらえたら嬉しいです!

 

日原地区の裸神輿http://tsmoyo.jp/post-2407

鷲原地区の暴れ神輿http://tsmoyo.jp/post-2555

 

日原の裸神輿=【”水”神輿】

この裸神輿は、『きてみん祭(きてみんさい)』という祭りの一環で行われており、半裸になった男衆が樽と神様を載せた神輿を担いで午後3〜5時までの約2時間、日原の街中を練り歩いていきます。お布施や休憩地点がある所では、神様を祭りあげるようにと神輿を上下左右に振りながら神輿を回す(=揉み)ことが行われます。

「ワッショイ!ワッショイ!」と声をあげながら神輿を揉みながら、秋に染まった町を練り歩いていく…だけなら普通の神輿なのですが、それだけでは終わらないのです。

 

 

ポイント①:冷や水、日本酒、ビール、色んなモノを浴びせられる!

 

「ワッショイ!ワッショイ!」と声をあげながら神輿を担いでいる衆を余所に、数人が神輿の進む先にある民家に入って何やらゴソゴソしています。さてさて、彼らがいるところまで進んでいくと、「ビューッッッッ!!!」とホースから勢いよく水が飛んできます。「うわああああああああ」「アアアァァァーーーーーー!!!」と声を上げながら、神輿を揉んでいく。これこそが、水神輿とも呼ばれる所以なのです。各地点で水を浴びせられ、水分を吸った衣装も神輿も重くなってきます。

この水をかけるという行為は、元々は身体の汚れを清めて正月を迎えるという意味合いで始まったもの。そう、あくまで’’身体を清めるため’’に水をかけられるのです。

 

水をかけられて「寒いのう!」と言いながら到着する休憩地点。

そこで出されるおつまみやビールを食べ飲みしながら、「いやぁ、今年も寒いねぇ!」「アハハ」なんて言いながら参加者の皆さんは談笑しています。終わり近づくにつれ衣装もビショビショになり、冷たい風がそよぎ始めると、いよいよ身体も冷え込んできます。それを紛らわすために、熱燗を始めとするお酒を飲みまくって気を紛らわせたりと、終わる頃にはアルコールも回ってトランス状態になっているのです。

 

ただ油断して談笑していると、「アハハ」「アハハ」「アハハ…アアアァァァーーーーーーーーーー!!!!!????」となります。そう、 休憩地点でいただく日本酒やビールだって、立派な”水”。ちょっと気を抜いていると、頭から背中から流し清められることも…!

冷やい冷やし!けど、美味しい。日本酒の美味しさがあるから「ちょっとー!!」なんて言いながら許せちゃいます。笑

こうして時間とともに身体は冷え込んでいきますが、担ぎ手同士の絆は深まっていくのです。

 

ポイント②:ノリが良く、雰囲気が若い!

 

「ワッショイ!!」「ワッショイ!!!」

太鼓と笛の音に合わせて男らしい大きな掛け声を上げながら、神輿を肩にかけ町を歩いていきます。白い半パンに真っ赤なタオルを頭に巻きながら闊歩する姿は、力強さたくましさを感じる正に漢(=おとこ)という感じ。

時に水やビールを浴びせられると、悲鳴にも近い声を上げることもありますが、各所で神輿を揉みながら道を進んでいきます。

 

「ピュッピュッ!!!(笛の音)」「ワッショイ!!ワッショイ!!!」

あれ?

「ピュッピュッ!!!(笛の音)」「フゥ!フゥ!(裏声)」

ん?

「ピュッピュッ!!!(笛の音)」「フゥ!フゥ!(裏声)」「おい!!!!笑」

 

 

そう、たくましい漢たちが発するワッショイ!の掛け声がいつの間にかフゥ!フゥ!なんて『モー娘。』もびっくり仰天な掛け声が!!トランス状態になってくると、このようなテンションになることもしばしば。何せ、みんな朝から、何ならその前日からガッツリ飲んでおりますので。笑

神輿というと何やら厳かな神事のようなイメージを持っている方いるかもしれませんが、裸神輿では昔からの伝統は守りつつ、参加者も地域の人も楽しめるようにと少し羽目を外すこともあるのです!

 

ポイント③:神輿メンバー、地域、人と人との結びつきが強い!

 

「カーン!!カーン!!」(金の音)

「ドンドン!!(太鼓の音)」「ワッショイ!!」「ドンドン!!」「ワッショイ!!」

 

金の合図に始まり、祭りはスタート。地域中に音が響き渡ります。

神輿の担ぎ手はひたすらワッショイを言うのに必死なのですが、、、

待ち構えていたように、地域の人たちはバケツに水をくべ、日本酒やおつまみを用意。

 

神輿メンバーの中には水かけ隊がいるのですが、彼らに水道の蛇口の位置を伝え、時には伏兵として一緒になって水をかけることも!

また水ではなく、なぜか竹の葉を持って身体中を摩ってくるおじいさんもいるなど、もう何を目指しているのか全くわかりません!笑

 

それでもこうして地域の方々が、すごく協力的なのも日原のいいところ。勝手に他人の家の水道を使うなんて、普通はありえないでしょう。

 

「おー、◯◯さん久しぶり!!元気にしよった?」

この祭りをきっかけに久しぶりに会う人も。休憩地点では、神輿の担ぎ手や地域の人それぞれが互いに積極的に声を掛け合います。

 

 

そう、日原地区は人と人との結びつきがとても強い!!

だからこそ、お互い水を掛け合ったりもするし、時には地域の人が水をかけてきたり、彼らを神輿に乗せて担ぐことも。

新しく入ってきたメンバーにも、元々いる人が積極的に声をかけていきます。

 

「1日だけ観光に来た人でも、外国人の人でも、誰でも参加してくれるのはウェルカムよ!過去には、外国人や女性が参加してくれたこともあったしね」

神輿メンバーの1人の人はそう言います。

 

こうして誰でも受け入れてくれる土壌があるのが、日原のいいところ。

神輿を通じて人と人との結びつきが強くなっていき、互いに冗談を言い合えるような仲になっていく。これが日原の裸神輿なのです。

 

裸神輿まとめ

 

裸神輿に参加するのは3回目ですが、毎年20代前半あたりの若い人が新たに加入してくるなど、元気で活気のある雰囲気と一体感の強さはずっと変わっていません。

 

一見寒くて凍えているイメージをもつかもしれませんが、お酒を飲んでみんなと語らって、そして「フゥ!フゥ!」と声を上げて、ハイな気分になり寒さを忘れられる。そんな熱い神輿が裸神輿なのです。

 

 

 

鷲原の暴れ神輿=【”火”神輿】

 

津和野はかつて、中心地の一体が焼き尽くされるほどの大火に見舞われました。鷲原の暴れ神輿は、そんな火の神様を祀ることと町に火の用心を呼びかけるために行われています。

この暴れ神輿は、鷲原八幡宮を出発して門林に向かい、それから中座、森村、高田などの一体をなんと約7時間かけて練り歩いていきます。裸神輿同様、各所に休憩地点があってそこでお酒やおつまみをいただけるのですが、夜になると焚き火が準備されていきます。

そして、神輿を「ワッショイ!ワッショイ!」と揉んでいる時に、その火を踏むようにして飛び込んでいくのです!(※不燃材の衣装を着ているので、火が身体に燃え移ることはありません。)時には、火が自分の顔ぐらいの高さまで焚かれていることも。これが火神輿たる所以なのです。かつては川に落ちて流されたり、溝に落ちたり、首や腕に火傷を負った人もいたとかいなかったとかという恐ろしい話も…。

それでは、鷲原の暴れ神輿=通称火神輿の魅力を以下に紹介していきたいと思います!

ポイント①:テンションが上がりすぎて、神様が落ちそうになる

この暴れ神輿では、神様が乗った神輿を地面に決して置いてはいけません。休憩所でも床几(=しょうぎ)という折り畳み式の椅子の上に置いています。しかし、お酒を飲みまくってトランス状態になっている中で、重い神輿を勢いで揉んでいくため、危うく落としそうになることもあります。「危ない!危ない!」と言いながら、神輿のサイドにいる人が受け止めることもしばしば。

 

調子に乗って揉みすぎると、「おーい、お前らここに神様が乗っていることを忘れんなよ!」という声が飛んでくることも(笑)。

ちなみに、火を怖がって焚き火を蹴ってしまうこともありますがこれはNG。理由は単純に危ないからなのですが、組長的には写真映えするから火は蹴ってもらいたいとのこと。笑

 

 

ポイント②:ご飯のクォリティが高い

 

各地にある休憩ポイント。

基本的にはお酒のつまみになるようなものをいただけるのですが、中にはうどんやカレー、ぜんざい、さらにはピザを出してくださるところも!

出汁から取っている料理もあり、本当にありがたい限り。ただ「美味しい!美味しい!」と言って後先を考えずに行く先々で食べていると、終盤になるとかなりお腹いっぱいになってしまいます。また、飲み物もホットワインや熱燗など、身体を温めかつ普段もあまり飲めないような美味しいお酒も飲めるのです。神輿を担いで身体を動かした後、飲む酒と食べるご飯は格別ですよ〜。

 

ポイント③:誰かれ構わず火に飛び込んでいく

 

行事中は、男性が神輿の担ぎ手の中心となり、女性は大きな団扇や提灯を持って一緒に歩いていきます。それでもいざ神輿を揉む際には、男性陣だけではなく女性陣も一緒になって火に飛び込んでいくことも!中には、この神輿の火に飛び込むのを楽しみにして町外から参加してくる女性もいます。最後の方になると、もう火に慣れてきたのか、神輿を担いでいないのに「まあまあ熱いね」なんて言いながら火の熱さを確かめる人もいます。

火に飛び込むのが、怖いのは最初だけ!一回飛び込んでみると、もう病み付きになります!

 

暴れ神輿のまとめ

この神輿を楽しみにして津和野に帰ってくる人もいるように、ハイな状態で火に飛び込むのは病みつきになります。実際、来年もまた参加したいと思っています。また、参加するメンバーは移住者が多いのも特徴的。町内出身ではない人でも参加しやすい雰囲気も、暴れ神輿の1つの魅力ではないでしょうか。

 

 

最後に

こうした地域の祭りの最大の魅力は何かというと、一緒に神輿を担いだ者同士の絆が深くなること。特にこの2つの祭りは、水を浴びたり火に飛び込んだりと少し怖さを感じるからこそ、「いやぁ、今年の水は冷やかった〜」「あそこの火なんて首くらいの高さまであって、どうしようかと思うたけえなぁ」なんて実際やってみた後に言い合える喜びがあります。大声を出して身体を張った先にある楽しみが、この2つの神輿にはあります。

日原の裸神輿は、、毎年11月の第2日曜日に”日原天満宮”のお祭りに合わせて開催しています。

鷲原の暴れ神輿は、毎年11月の第3土曜日に開催しています。

 

「あなたは水派?それとも火派?」なんて言わず、ぜひどちらの神輿にも参加してみてください!来年、お待ちしています〜!!

 

 

 

 

(文/前田健吾 写真/宮武優太郎・舟山宏輝・髙田菜津子)

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