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2019.02.08

「3(サン)、2(アー)、1(イー)」の掛け声で、僕らは夢を書いた紙ひこうきを空に飛ばした/津和野小学校・つわぶきワクワク広場レポート

 

こんにちは!ライターの前田健吾です。

 

津和野町立津和野小学校では、つわぶきワクワク広場という放課後子ども教室が開催されています。

ここでは、地域の様々な大人がそれぞれの特技・持ち味を活かし、子どもたちとともに豊かな放課後の時間を共有しています。地域の若者もそこに関わり、町内で自然教育事業を行っている津和野町地域おこし協力隊・森本貴満を中心に、津和野の豊かな森林を活用した木工教室や森遊びなど、子どもたちが普段体験できないコンテンツを作ってきました。

 

しかし、2019年1月28日(月)、いつもと少し異なる体験が用意されていました。

この日は、中国人の一行が津和野周辺を巡るツアーが開催されており、その一環でつわぶきワクワク広場を訪れていたのです。

一体、子どもたちは何を体験しどのような反応を見せたのでしょうか?

そんないつもとは違う、つわぶきワクワク広場の模様をお伝えします。

 

 

「ジェンダオ、シートウ、ブー!」のじゃんけん列車が互いを繋ぐ

 

1月28日(月)、いつもの時間につわぶきワクワク広場は始まりました。集まったこどもたちは総勢20名ほど。いつもと変わらず元気にはしゃいでいます。今回参加する中国人は6名で、皆落ち着いた様子です。

まず最初に始まったのは◯×クイズ。最初のテーマが津和野だった時はみんなスイスイと正解していくのですが、津和野に関することではなくなった途端、少し戸惑い始めます。

 

 

「中国の面積は日本の何倍でしょうか?①3倍、②25倍。さあみんな、どっちだと思いますかー?」司会の宮武優太郎(みやたけ・ゆうたろう)さんの問いかけに、みんなどっちだろうかと頭を悩ませています。宮武さんはこの中国人のツアーの主催者であり、今回のコンテンツを考えてきた1人です。

(写真左・青い服を着た男性が宮武さん)

 

「さあ、中国語でじゃんけんのチョキ、グー、パーは何と言うでしょうか?①アン、ポン、ターン②ジェンダオ、シートウ、ブー。さあどっちでしょうかー?」

 

子どもたちは、いよいよわからなくなってきました。わずかに②が多いようです。

ここで中国人のツアーで通訳を務めている郭(かく)さんが前に立ち、子どもたちに正解を伝えます。

 

「正解は、剪刀=ジェンダオ,石头=シートウ,布=ブーです!」

 

(写真中央の緑色の服を着ている方が郭さん)

 

日本在住歴が長く流暢に日本語を話す郭さんが、元々は中国の北京出身。高校を卒業後に来日し、現在は山口県の阿東地区で羊毛造形作家として活動しています。それにしてもじゃんけんの”パー”の中国語である”ブー”の発音がとても力強い…!発音も全然違いますし、やはり本場の方だということを実感します。

 

さて、その後に始まったのはじゃんけん列車。じゃんけんをする時の掛け声は、もちろん先ほど学んだ中国語。ピアノの音に合わせて列車は動き、止まった時に「ジェンダオ、シートウ、ブー!」の声と共にじゃんけんが行われます。回数を重ねていくに連れて、大人も子どもも、中国人も日本人も、それぞれの肩に手をかけたじゃんけん列車が作られていきます。

 

 

紙ひこうきを教え合い、学び合う時間

 

その次に行われたのは紙ひこうき作り。

遠くに飛ばせるようにと、思い思いの紙ひこうきを作っていきます。

子どもたちは普通に作っていくのですが、中国の人たちは少し変わった形に作っていきます。それは、飛行機の先が嘴(くちばし)のような形をしていて、飛ばすと鳥が飛ぶように羽がヒラヒラして遠くへ舞っていくもの。「おおーすげぇ!」なんて言いながら、真似して作る子も。

(中国の方が作った紙ひこうき)

 

作り終えると、みんなで体育館へ行って紙ひこうき飛ばし大会。

全部で30人ほどの人たちが、飛行機を飛ばした距離を競います。「3(サン)、2(アー)、1(イー)」という郭さんの中国語での掛け声で、みんな一斉に飛ばしました。全体的に大人が遠くまで飛ばしていますが、子どもたちも負けてはいません。「◯◯くんのがここまで飛んでるよ!」「こっちの方が飛んだよ!」。2回大会はどちらも白熱した戦いとなりました。

 

最後はそれぞれの”夢を書いた紙ひこうきを校舎の2階から飛ばすという何とも粋な試み。それぞれが自分の夢を書いた紙ひこうきを空に向かって飛ばして、この日のつわぶきワクワク広場は終了しました。終わったら、そのままみんなで感想タイム。「すごく楽しい経験ができてとても楽しかったです。謝謝(シェイシェイ=”ありがとう”の意)」と子どもから感想が。もう早速、中国語を使っています。

 

中国の大人からも「中国はテレビゲームなどに熱中する子が多いのですが、日本の子がこうしてみんなで一緒になって楽しんでいる姿はとても新鮮でした」との感想が。津和野の子も紙ひこうきといった手で作る物で遊ぶ子は少なくなっているようですが、この日の体験は双方にとって新鮮な体験になったのかと思います。

 

(感想述べるボボさん。今回の中国人ツアーの主催者です。)

 

今回のつわぶきワクワク広場のコンテンツ作りに関わった森本さんは、「みんなで楽しみ交流できるもので、互いに異文化を学べる時間にしたかった」と語ります。本当は中国からたくさん子どもたちが訪れる予定だったのですが、ビザの関係で訪日を断念することとなった経緯があります。

それでも今回のツアー参加者のうち唯一の小学生だった子は、地域の方から教わりながら紙ひこうき作りに熱中し、はしゃぎながら紙ひこうきを飛ばしていました。

 

一つ海を挟んだ向こう側にある国ですが、じゃんけんの掛け声一つも紙ひこうきの作り方も違います。つわぶきワクワク広場という時間において最も大切なことは、子どもたちが様々な世界に触れて、自身の知見と感性を高めること。今回の体験は子どもたちにとって大きな刺激になったはず。これからもこの津和野の地で、色んなモノ・コトに出会って欲しいなと思った時間となりました。

 

それでは、謝謝!!

 

 

 

 

(文・写真/前田健吾、写真/宮武優太郎)

 

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