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津和野で始まる遊びと学び。つわの冒険クラブにかける想い。

2018年12月より津和野町の自然を活用した、新たな遊びと学びの場が始まりました。その名も「つわの冒険クラブ」。
自然のフィールドに定期的に集まり、みんなで楽しい週末を過ごす冒険集団として企画したのは、津和野町地域おこし協力隊の森本貴満(もりもと・たかみつ)さん。
自然の中での遊びを通じて彼が子どもたちに伝えたいことを伺ってきました。(2019年2月掲載)

つわの冒険クラブ(以下冒険クラブ)の活動は、休日を利用して朝から夕方まで丸一日行われます。今回は1stシーズンとして、12月中旬から1月中旬までの全3回の活動の場を設けました。活動拠点は、津和野町の左鐙地区にある保育園「山のこども園 うしのしっぽ」。自然の中での保育を行なっているここは、園舎が山の中にあり、周囲にあるのは携帯の電波すら届かない環境。倒れたままの木やそこに生える苔、イノシシの骨、山菜、などなど。普段の生活ではなかなか目にすることもできない様々な景色が広がる場所です。
そんな場所で、第一回第二回は自然を学びとるためのミッション、そして第三回はそれまでに学んだことを生かして秘密基地を作るという内容。
自然という非日常的な空間の中で、子供達がその環境を目一杯楽しんでいる様子が伺えました。特に第三回目は終了直後に「早く第四回やってよ!」と子どもたちから熱烈な要望があるほど。

|第三回で初めて「イキイキとした活動」を作れた。
ー自然の中で、子どもたちが熱中して遊んでいる姿が印象的でした。全3回の内容は、どのようなものだったのでしょうか。
その季節の自然を楽しむということと「林業」をテーマとして設けていました。
その中で第一回は、山の中を歩き自然の中に何があるかを見つけるミッションと木材を使って箱を作るミッションを行いました。第二回は、間伐体験や切られた木がどのように製材されていくのか、そのリアルな現場を知る回。そして第三回は、それまでに得た経験を元に山で本格的に遊ぼう、ということで秘密基地づくりを行いました。

ー第三回の様子を見させてもらいましたが、みんな熱中して取り組んでいるようでした。
そうですね。限られた時間の中で全力で取り組んでくれていたと思います。全三回の中では、第三回が初めて「自分が用意した場でイキイキと活動してくれている」と感じた会でした。
第一回と第二回は、ミッションと自由時間が半分ずつくらいにしていました。ミッションの時間も子どもたちは真剣に取り組んでいて、感想を聞くと「楽しかった」と言ってくれるのですが、自由である時間のほうが楽しそうに過ごしているな、という印象でした。
もともと第三回もミッションを与えて、と考えていたのですが、コンテンツを作り込む、というよりは、環境や道具・遊び方を教えてくれる大人がいる中で、自由に遊ぼう!という場を設けたほうが子どもたちにとって考えたり学んだりする機会になるのではないかと思いました。そのため、第三回では「秘密基地を作る」という大きなミッションと環境を用意して、あとは自由に遊んでもらいました。その結果が、みんなの熱中した姿に現れたんだと思います。

ー「やらされている」ではなく「やりたいに取り組む」を引き出すことができたのが第三回目、ということでしょうか
そうですね。第一回目第二回目、いろんなコンテンツを用意していても一番楽しかったことを聞くと「自由時間の火遊び」と言われてしまっていました。「自由時間か〜」と悔しい思いをしました(笑)。
その経緯からすると、第三回の後みんなから次回の要望が出てくるほどのものを作れたことは、一つの成果なのかなと思います。

| 誰にも管理しきれない自然そのものが「先生」
ーテーマの一つとして「その季節の自然を楽しむ」ということがありましたが、それはどのような想いからでしょうか。
自然の中には、その場所に行かないと感じられないものがあります。どんな木の実が生えているとか、どんな場所が危険なのかとか、基地を作る時にどんなものが役に立ちそうかとか。
大人が教えてあげられることはたくさんあるけど、実際に体験して気づかないと学ぶことができない「リアル」もたくさんあると思います。
どれだけ大人が見張っていても取り除けない危険、大人が意図せずに見つかる気づき、そういった「誰にも管理しきれない自然」を先生とすることで、人間としての知恵を育みたいと思っています。

ー人間としての知恵を育む、というところで今回そのような様子はみられましたでしょうか。
第三回は、いろんなところで工夫が見られました。
斜面の下の草をロープでくくって上まで持ち上げたり、入り口に紐を張って、引っかかったら罠として音が鳴る仕組みを作ったりと、驚くような工夫がたくさんありました。

|愚直に、子どもたちと一緒に作り上げていく
ー来年度以降の構想を教えてください。
活動としては、子ども一人ひとりの学び・成長に寄与できるように、場づくりや引き出すための工夫を凝らしていきたいです。
そのためには、組織づくりや活動拠点づくりなど大人との関係性づくりも大切になってくると思います。
そこも視野に入れながら、目の前の子どもたちのことを考え続け、子どもたちと一緒に、愚直に内容を考え続けたいです。

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やりたいことを通して、いかに学びを得てもらうか。インタビューを通して、その問い立てに対して常に考え、アクションにつなげている森本さんの姿が見えてきました。
子どもの探究心に火を付けるために何ができるのか、どうやったら子どもたちは楽しみながら学びを深めていけるのか。この活動の先には、この問いの一つの答えが出てくると感じました。

■講演会情報
NPO法人グリーンウッド自然体験教育センターの辻英之氏をお招きして講演会を行います。
津和野町美しい森林づくり講演会
「こどもらしい顔をとりもどせ!~山村の自然体験が育むこどものココロとカラダ~
2月21日(木)19:30@津和野コミュニティセンター

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