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「地元のために何か力になりたいな」が集まって。

初出の媒体:Founding Base Facebookページ

初出年月日:2018年5月2日

 

津和野のライター・舟山こと、ひょっとこです。

今回は、FoundingBaseが関わって7年目になる、津和野町の新たな動き『思うは招こう会』についてお伝えします。

思うは招こう会は、「地元の学生に、夢を持ち続けることの大切さを知ってほしい」という想いを持った津和野の地元住民の方を中心によって、2017年4月に結成された会です。教育NPOの立ち上げや地元野菜の更なる流通を目指したマルシェなど、移住者主体による活動は多様で活発な津和野町。その中で、地元住民の方中心による新規プロジェクトが、思うは招こう会です。初年度の活動では、民間企業でロケット開発をし、小説『下町ロケット』のモデルとも言われる植松電機の植松努さんを津和野にお招きし、津和野の中高生を対象に講演会などを実施しました。

職業も年齢も違うメンバーで結成されたこの会。設立当初は活動の進め方に四苦八苦したそうですが、毎週会議を開き、講演会を開催させるために60万円以上の寄付金を自分たちで集めたりと、とても大きなエネルギーをかけてきました。講演会は津和野高校で行われ、そこに地元の中学2校と高校1校の全生徒が参加し、また寄付してくれた方も参加する大成功イベントとなりました。

そんな思うは招こう会メンバーの原動力について、話を聞いてきました。

 

■始まり「もう後に引けない」

会発足のきっかけとなったのは、2016年秋に津和野の隣町である益田市で行われた植松努さんの講演会に、後に思うは招こう会を立ち上げる阿部龍太郎さんが訪れたことでした。

そこで津和野の知人と偶然出会い、お互いに”夢を持ち続けることの大切さ”について語られた講演会の感動を伝え合っているうちに、「これを津和野の子にも聞かせてあげたい」と思いました。そして、その感動を原動力に即座に植松さん講演会実施に向けて動いていきました。

阿部さんたちは「講演会の実施は2年くらい先ではないか」と想定していましたが、実際に植松さんの窓口へ連絡を取ってみると、1年後の日程で講演会の予約ができるという答えが返ってきます。重ねて「予約をした時点で講演料が発生します」と言われますが、今予約を取らないと次がいつになるかわかりません。阿部さんたちはどうやってお金を用意するかも決まらないまま、まず予約を取り、「これでもう何がなんでもやらなくちゃいけなくなった」と後に引けない状況を自分たちで作っていきました。

 

■メンバーの動機「何かちょっと力になりたいな」

その後、益田市での講演会に参加したメンバーそれぞれが、周囲に活動協力の呼びかけをしました。集まってくれた、職業も年齢も違う地元の仲間に改めて、「津和野の子どもたちに夢を持つ大切さを知ってほしい」という想いを伝えました。阿部さんの同級生や移住者を始め、津和野キーマンの 宮武 優太郎 (宮武優太郎) も参加させていただき、活動への想いに共感し協力してくれるメンバーは15人以上となりました。

なぜ、そんなにもたくさんの人が集まってくれたのか。それは、集まった人が抱えていた”くすぶった想い”に対して、阿部さんをはじめとする発起メンバーの「地元のためにこんなことがしたい!」という想いが強く響いたからでした。

集まった人が抱える想い・参加の動機について、「地元で働いて暮らしてて、何かちょっと力になりたいな、なんか力になれるんだったらやるよっていう気持ちで来てくれてる人たちが多いね」と語る阿部さん。

「何かをしてみたいけど、何をすればいいかわからない」というようなくすぶった想いを持った人たちが、町にたくさんいたのです。
思うは招こう会への呼びかけは、”社会を変えたい!”という大きな志ではなくとも、”何かしたい”というくすぶった想いを持っていた人たちが動き出すきっかけとなりました。

 

■活動の転換点「地元の俺らが、とにかく足動かしてやらなきゃ」

 

2017年4月から始まった活動ですが、年齢も職業も違う人たちでのミーティングは思うように進みませんでした。どんな講演会にしていくのか、誰がどんな役割を担うのか、そもそも何から手をつけたらいいのか。目の前すらはっきり見えない中で周囲からは好き勝手言われてしまう。そんな状況でも、阿部さんは「ちょっとずつでも形にしていく」という想いから毎週会議を開き続け、前に進もうとしていきました。

その継続的な活動が3ヶ月ほどすぎたころから、ようやく思うは招こう会自体の意義や活動スケジュールを整理できるようになり、すべきことがクリアになりました。またメンバー同士で、お互いにどんな人なのか・どんなことが得意で何が不得意なのかということが理解できるようになり、会としての足並みが揃い始めました。

資金面では、クラウドファウンディングなど様々な手段から調達を試みますが、全く集まりません。「地元の俺らが、とにかく足動かしてやらなきゃ」と腹を括って町の人の元を直接訪ねて寄付金集めを始めたところ、2週間で講演会に必要な60万円以上の資金を集めることができました。また足を動かして集め始めてから、遠方の方よりクラウドファンディングで寄付を頂くこともできました。

講演会には、地元の中学2校と高校1校の全学生、そして寄付をしてくれた地元の方が集まりました。講演は大成功で終わり、また講演してくださった植松さんからも、地元のために講演会を開く若者のエネルギーに感動していただき、「また津和野に来たい」と言っていただくことができました。

 

■ ”小さな想いも、大きなエネルギーに”

思うは招こう会は、「地元のために何かやってみたい」という想いを持った人たちが集まっている組織です。
阿部さんへの取材を通して、”自分たちがやってみたいと思っていたことをやる”ということや”普段出会わない人との出会い”が、大きなことを成し遂げるエネルギー・原動力につながっていると感じました。

現在は、地域の大人と高校生をつなぎ、高校生が大人にインタビュー形式で仕事の面白さを深掘りする「ジョブカフェ」を実施しています。会のメンバーが「地元のためにやってみたい」活動を、継続的に実施しています。

思うは招こう会の「やってみたい」活動が、津和野の町にどんな変化を生んでいくのか。僕、舟山も4月から活動に参加させていただいています。今後も活動に注目し、一緒に津和野を盛り上げていきたいと思います!

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