津和野を‘‘まるごと”感じられる場所を目指して ――「まるごと津和野マルシェ」の裏側
初出の媒体:ファンモンNo.2
初出年月日:2017年10月
赤と白のテントの下に、野菜や加工品が入った木箱が並ぶ。「まるごと津和野マルシェ」の光景である。「まるごと津和野マルシェ」は、津和野産の農産物に特化した市場だ。2013年10月に始まり、現在は隔週日曜日に開催されている。(2019年末で休止)
マルシェを運営するのは白井博規(しらい ひろき)。今年の1月からマルシェ事業に取り組む白井に、この事業が始まった経緯を聞いた。
旧津和野町と旧日原町が合併したのは2005年のことです。しかし、その後も地区間の人や物の行き来は決して多いとは言えない状況でした。例えば、各地区の道の駅で、もう一方の地区の商品を目にすることは少ないと思います。まめ茶を買うには津和野地区へ、わさびを買うには日原地区へ行かなければ、手に入れることが難しいのです。そこで、地区を越えて津和野町の農産物が『まるごと』集まる場を作ろうと考え、マルシェ事業が立ち上がりました。
現在、マルシェの開催場所は回によって異なるが、観光客の方が立ち寄りやすい場所で行っている。その背景には、町内の方を含めたより多くの人に津和野をまるごと感じてもらいたいという想いがある。
マルシェには約90件の農家さんが登録している。そのうちの多くの方が、マルシェ開始当初から携わっているそうだ。農家さんから応援の声をもらうことが多いと言う白井。しかし、現状のままではいけないと話す。
残念ながら今のマルシェは、農家さんの販路拡大という期待に十分に応えられているとは言えません。月2回の開催では、天候によって売り上げが左右されてしまいます。『マルシェのおかげで助かっている』と 農家さんに感じていただけるよう、新たな販売の仕組みを作っているところです。
現在のイベント型マルシェに加えて、廃棄野菜の活用や、町外でも購入できるような方法を考えているという。
強い販売力があれば、登録農家さんが助かるだけではなく、新規就農を考える人にも津和野が魅力的な場所として映るのではないかと思います。マルシェ事業をイベントからステップアップさせ、販売や物流の拠点となるようにしたいです。
(文/工藤夏帆、写真/宮武優太郎)
まるごと津和野マルシェ
開催地 太皷谷稲成神社駐車場等(開催地は都度連絡)
営業時間 10:00〜14:00(野菜が無くなり次第終了)
開催日 第一・第三日曜日及び不定期開催
Facebookページ https://www.facebook.com/marugototsuwano/
問い合わせ先 090-9255-7597 (担当:白井)
住所 平和木工事務所:島根県鹿足郡津和野町後田473
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