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最終編:「”Bocca Lupo”を大切に」イタリアから帰ってきたバレエ講師「田中美礼」さんインタビュー【バレエ×マイスター】

 

バレエを津和野で普及させようと、たった一人で活動しているバレエ講師・田中美礼(たなか・みれい)さん。

全4編に渡り、自身を”バレエ馬鹿”と表するほどエネルギーを注いでいるバレエという切り口から、彼女の思いや今後の展望について伺う田中さんへのインタビューは、いよいよ最終編。

子供達への思い、自身の夢、バレエという切り口から彼女の気持ちの核心に迫っていく。

 

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最終編

 

Bocca Lupo”を大切に、流れに身を任せていく

 

現在まで、津和野町を中心にバレエ講師として精力的に活動されている田中さん。また、バレエ講師だけではなく、ピラティスのインストラクターや英会話講師としての顔も持ち合わせている。

 

「ピラティスには、バレエを通じて出会いました。ピラティスとは、軍人がリハビリ用に開発したトレーニングで、海外ではヨガとともに、身体を整えるエクササイズとして広く普及しています。ピラティスをすると、インナーマッスルが鍛えられて身体の線がとてもしなやかになり、また頭を活性化させて気分をスッキリとさせる効果があります。ピラティスはヨガの技法を取り入れているので、少々似ているところがありますが、ピラティスの本質はトレーニングということで、ヨガとは目的が全く異なるものなんですよね。ピラティスを受けた方からは、身体がポカポカする、目が覚めるなど多くの反響をいただいています。

医食同源レストラン《糧》で行われたピラティスのワークショップ。参加者と正対したピンクのジャージを着た女性が田中さん

医食同源レストラン《糧》で行われたピラティスのワークショップ。参加者と正対したピンクのジャージを着た女性が田中さん

 

英会話も週に一度行っています。田舎で異文化に触れる機会がそれほどないことから、英語に触れて広い視野を持ってもらいたい、という思いから始めました。子供向けには英語の絵本を一緒に読んだり、大人とは一緒にお菓子を焼いたりしながら、楽しんで英語を学んでいただけるような内容にしています」

 

バレエという枠を超えて多方面に活躍している田中さんであるが、根底にあるのはやはりバレエなのだと言う。

 

「やはり自分の軸は、人生の大半を捧げてきたバレエにあります。私の好きなイタリア語に「Bocca Lupo.(=イタリア語で「幸運を祈る」の意)」という言葉があるのですが、バレエを軸として自分のやりたいことで貢献できることがあれば、後は流れに身を任せていくつもりです。そうしていけたら、ずっとバレエに関わっていられますし、それが私の幸せに繋がっていくのだと思います」

 

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バレエに命を捧げる

 

自分の好きなことで他者に貢献できている人生、どれほど幸せなことなのだろう。

そんな彼女は、津和野の子供達への思いも熱く語る。

 

「子供達にはバレエを通して広い世界を知ってもらいたいですね。津和野は神楽文化が中心ではありますが、そういった固有の文化に親しむ一方、バレエという外から入ってきた文化を知り、自分の世界を広げていってもらいたいです。またバレエは曲を聞いて感じたものを身体で表現するものなので、頭の回転が良くなり、集中力もつきます。そして、練習や舞台を通して忍耐力がつき、プレッシャーに打ち勝つ子に育っていきます。津和野は優しく穏やかな子が多い地域ではあるのですが、そういったことも経て、彼らにはたくましく育っていってもらいたいですね」

 

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田中さん自身が経験してきたからこそ、その言葉は熱を帯び、我々の胸にグッと向かってくる。

最後に彼女の今後の展望について伺ってみた。

 

「夢はたくさんあるのですが、まずは広く多くの子供達にバレエに親しんでもらいたいですね。今後は現在活動している津和野や益田市だけでなく、他の地域の子供達にもバレエが馴染みのあるものになるよう、働きかけていくつもりです。

そして個人的には、野外公演をやってみたいです。津和野には野外で公演できる機会がたくさんありますし、イタリアで野外公演した時の高揚感が忘れらないので、そういった新たな試みもぜひやってみたいと思います。

バレエは私が本当に大好きな、命を捧げてきたものです。これからもこの気持ちを貫き、津和野町を中心にバレエが多くの方に愛されるものになっていくよう活動していきます」

 

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淡々としていながらも、時には熱く、話が途切れることのないほどバレエへの思いを語ってくれた田中さん。

一見すると輝かしいキャリアを積まれ、津和野でイキイキと活動されているように思えた彼女の人生は、外見とは程遠い泥臭さと負けん気の強さで、自らの道を切り開いてきたものであった。

津和野町は子供の数が少ない分、海外よりも日本の他の都市よりも、バレエを教えることは厳しい環境であることは間違いなく、本人もそのことは百も承知であろう。

しかし、地元に貢献したいという強い思いと、バレエという確固たる軸がある彼女には、霧のかかったようなぼんやりとした未来であったとしても、そこに愚直に立ち向かっていく力がある。

田中さんは、彼女の元でバレエを通して育まれた子供達とともに、霧を超え、自らの星を見つけに行く旅を続けていく。

 

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(文/前田健吾、写真/宮武優太郎)

 

田中さんインタビューの過去記事一覧

 

全4編

第1編:いつかは地元に貢献したい

第2編:映画「スクール・オブ・ロック」のような毎日

第3編:若いうちだからこそ大きなチャレンジをしたかった

最終編:”Bacca Lupo”を大切に、流れに身を任せていく

 

BALLETTO BENESSERE

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レッスン情報

キッズバレエ:

毎週月曜日の16〜17時@津和野町社会福祉協議会・津和野支所の軽運動場

毎週水曜日の18〜19時@島根県芸術文化センター「グラントワ」第2スタジオ

毎週土曜日の9時30分〜10時30分@島根県芸術文化センター「グラントワ」第2スタジオ

大人バレエ:

毎週水曜日の20時30分〜21時30分@島根県芸術文化センター「グラントワ」第2スタジオ

ピラティス:

初心者コースー毎週水曜日の19時〜20時@島根県芸術文化センター「グラントワ」第2スタジオ

初心者コースー毎週木曜日の19〜20時@津和野コミュニティーセンター1階和室

初心者コースー毎週土曜日の11時〜12時@島根県芸術文化センター「グラントワ」第2スタジオ

普通コースー毎週木曜日の20〜21時@津和野コミュニティーセンター1階和室

(※益田で行われる教室の日程は月ごとに異なることがあります)

 

 

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田中美礼(たなか・みれい)

1990年 島根県津和野町生まれ
10歳でバレエをはじめ黒木隆江バレエスタジオ 黒木隆江に師事し
13歳の時に初出場した北九州バレエコンクールで入選
全国バレエコンクール ザ・バレコン仙台 ジュニアの部で優勝
その翌年 同コンクールのシニアの部優勝
14歳の時にYAGPユースアメリカグランプリに出場
The Australian Ballet Schoolのフルスカラーシップを受賞 1年間の奨学金を取得
翌年、福岡で行われた全国バレエコンクールのエキシビションにゲスト出演
中学校を卒業と同時にオーストラリアに留学
The Australian Ballet Schoolに入学
卒業までの4年間をオーストラリアで過ごし、オーストラリアバレエカンパニーの
ツアーにも参加する。
卒業後は19歳で単身ヨーロッパに渡りイタリアのバレエカンパニーに入団
2010年から2016年までイタリア各地・国外でプロダンサーとして活動
2015年には美祢芸術村のコンサートホールにてJazzとBalletの
コラボレーションコンサートに参加する。
メンバーは国内外で活躍するトップミュージシャン、吉田次郎氏(ギタリスト)、
クリヤマコト氏(ピアニスト)、折重由美子氏(クラビオーラ奏者)
ダンスパートナーにはイタリアバレエカンパニーのプリンシパルアーティストDorian Grori
2016年春に帰国してBalletto Benessereを立ち上げ
バレエ指導 ピラティスの講師として活動しながらダンサーとしての活動も継続中

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