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“親になっても食べに来る”メロンの秘密 津和野メロンパーク代表 渡邉重利さんインタビュー

畑迫地区のメロンパーク

津和野の町中から、車を10分ほど走らせたところには、のどかな田園風景が広がる。ここ“畑迫”と呼ばれる地域では、農業を生業とするものも多く、夏にはホタルの大群が自然豊かなこの地域の夜を彩っている。FH000002この畑迫地区の、ちょうど入り口に当たる場所に、大きく『メロンパーク』と書かれた看板が置かれている。そう、ここ『メロンパーク』は、文字通りメロンの農園である。

20年前ほど前に開かれたここメロンパークでは、夏場にはメロンのもぎとり体験や、食べ放題を実施している。50mプールほどもあるビニールハウスの中は、みずみずしいメロンの木々がどこまでも生い茂っている。DSC_0019メロンを覆い隠すほどの大きな葉で、ビニールハウスの中はいっぱいだ。そんな大きな葉をめくってみると、綺麗な丸形のメロンが姿を見せる。DSC_0016直径15cmほどの美しい球体には、思わず手を触れたくなってしまう。しかしながら、メロンの鑑賞に夢中で気づかなかったが・・・ハウスの中はとても蒸し暑い。こんなに熱のこもった空間で作業することの大変さは容易に想像がつく。「大丈夫か」と隣にいた男性が、涼しげな顔をしながら声をかけてくれた。この浅黒く日焼けした男性こそ、メロンパークの代表、渡邉重利(しげとし)さんだ。

“子どものため”につくられたメロン

渡邊さんは、まるで我が子のように、メロンを大事そうに抱きかかえ、一つ一つを丁寧に摘み取っていく。
「ハウスの中は暑いけぇ、うちのメロンを食べながら、涼んでなさいよ」
お言葉に甘え、屋内で冷えたメロンをいただくことになった。DSC_0048黄色と緑のコントラストは、果肉の瑞々しさと合わさって、差し込んでくる太陽の光をバックに美しい光沢を放っている。
メロンを頬張る。一口かぶりつくと、さらさらとした果汁が溢れ出す。しかし、甘さはしつこくなく、爽やかな後味が舌を伝う。
まるで濃縮された果実ジュースを飲んでいるかのようで、ビニールハウスで乾いていた喉もすぐに潤った。

「とにかく、食べやすいじゃろ?このメロンは、子ども達のために作ったんよ」
そう語る渡邉さん。子ども達のためのメロンにメロンを作ったというのは、どういうことだろうか。

「このメロンは、メロン特有の“いがらっぽさ”が無いんじゃ。小さい子はメロンを食べると、喉がかゆくなったり、舌がピリピリとしびれてしまうこともある。それでメロンを嫌いになってしまう子も多いんじゃ。そこで、米糠などを使った有機のぼかし肥料を使うことによってクセを無くし、子供たちにも食べやすいようなメロンを作ったんじゃ。単に味を引き立てるだけでなく、できるだけ化学肥料を抑えることによって、身体にもやさしいものを作ることができるんよ」

一般的なメロンは、その特有のいがらっぽさから、一度食べてしまうと飽きてしまうものが多い。しかし、このメロンパークで採られたメロンは、そのようなクセが全くなく、その気になればいくらでも食べれてしまう。

そんな特徴的な味が病みつきになってしまう方も多く、収穫時期には1日500個を出荷することもあるという。

メロンを作るために行う、徹底的な管理

DSC_0086「栽培において大事になってくるのは、毎日の地道な管理に尽きる。有機栽培であるが故に、虫がつきやすいから、1日も欠かさず見とかんといけん。ここのメロンは”数量”や“大きさ”ではなくて、“中身”に徹底的にこだわったからじゃ。繁忙期はめちゃくちゃ忙しいけぇ、農業研修生にも手伝いに来てもらっておるが、それこそ我が子のように真心を込めて、作っとるよ」

これまでたくさんの生産者の方々を取材してきたが、どの方もその商品のことについて語る時の口調は、自然と熱くなる。このメロンパークの代表である渡邊さんもそれまでの方と同様に、真っ直ぐ私の目を見てメロンへの思いを熱く語る姿がとても印象的だ。

その口ぶりから伺えるのは、単に生活のためにメロンを栽培しているのではなく、自分がこだわり抜いて納得したものを作りあげたいという、マイスターの精神そのものだ。

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渡邊さんはその口ぶり通り、メロンの一玉一玉を本当に大事そうに摘み取っていく。そんな渡邊さんがこだわり抜いたメロンには、たくさんのファンがついてきているのだとか。

「お客さんには長年リピーターになってくれとる人もいるけえね。わしは生産者でありながら、自ら販売も行っておる。そうやって、わしが顔を見せて売っているからこそ、信頼してくれているところもあるのじゃろう。そして、日々手塩にかけて育ててるからこそ、蓄積されたメロンの知識について話すことができる。直売だからこその強みじゃね」

息子と共に追う夢

現在はメロン栽培に励まれている渡邊さんは、“子ども達のため”にという思いが、今の仕事への大きなモチベーションになっている。そんな渡邊さんが目指しているのは「子どもが親になっても、食べに来るメロン」だそうだ。

「実際に子供の時に食べて、「あの時の味が忘れられない」って、家族を持ってから来てくれる人もいるんじゃ。これからも世代を超えて、ファンになってくれるメロン作りを続けていきたい。
今後の夢は、自分の息子が作っているぶどうと、わしのメロンをセットで販売すること。もうマスコットキャラクターはつくってあるんよ。“メロン王子”と、“ぶどう姫”。この2つで、もっと子ども達の笑顔を増やせたら、最高だよね」DSC_0046“子ども達に笑顔を”、との想いから作られたメロンパーク。

そこで、手塩にかけて育てられたメロンは、蒸し暑い夏の日々に、爽やかな潤いをもたらしてくれる。

立っているのもやっとなほどの厳しい環境であるビニールハウスの中で、渡邊さんが手をかけたメロンは、苦労の分だけすくすくとその実を熟していく。

しかし、その大きさや数ではなく、その中身に全身全霊を注いでいるその姿は、生きる星を見つけたマイスターの姿そのものであった。

(文/宮武優太郎 編/前田健吾)

今回紹介させていただいた津和野メロンパークの「アールスメロン中玉2個入り箱」は、『津和野町ふるさと納税制度』からお求めいただくことができます。詳しくは外部サイトまで。

平成28年の年内発送分の申し込みは終了しました。特産品の申し込みは可能ですが、発送は平成29年7月中旬以降となります。

外部サイト:ふるさとチョイス「アールスメロン中玉2個入り箱」スクリーンショット 2017-01-23 14.27.32

 

 

津和野メロンパーク

TEL:0856-72-2630

 

 

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