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津和野の水害経験から、熊本地震の支援へ Facebookを活用した支援方法とは

 

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6月20日、吉賀町の柿木中学校にて中村弘大さんによる熊本支援活動の講演会が
行われました。津和野町名賀に住む中村さんは、2013年夏の豪雨災害の際に避難所生活を経験。感謝の想いを胸に熊本へ物資支援を行った経緯とは、どんなものだったのか。お話をお伺いしました。

(文/宮武優太郎)

地域で育まれた「感謝する」気持ち

中村さんは津和野町生まれの津和野町育ち。小学生の時は名賀地区の学校に通っていました。

「当時の全校生生徒は15人前後で、みんな仲良しでした。いじめなんてものはなく、全員で登下校をして地域の方に挨拶をする。地域の方から何かをしてもらったら、「ありがとう」と感謝し、恩返しをする。それが当たり前だったんです」

しかし中学校にあがるといじめに遭うことになります。保健室に通う日々が続きました。

「当時助けてもらったのが、保健室の担任だった江上先生でした(お笑いコンビ・ニッチェの江上さんの実母)。困った時にいつも話を聞いてくれて、高校生になってからも悩みを聞いてくれた。江上先生がいなければ今の僕はいないと言っていいほど、お世話になりました」

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周囲の支えの中で中村さんは津和野高校に進学し、バンド活動を開始します。その中でも一番の思い出が、高校の卒業式のこと。

「バンドのメンバーが寄せ書きを書いたギターをくれたんです。そのメッセージが『勝つ男になれ!逃げはないぜ!』というもの。その言葉は、今でも僕の指針になっています

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「このメンバーとは高校卒業後は疎遠になっていたのですが、Facebookで被災地支援活動の事を投稿していると、久しぶりに話す機会が生まれました」

後述になりますが、中村さんはFacebookを有効活用した震災支援活動を行っていくのです。

 

2013年の水害を経験

2013年7月28日、お祭りの翌日のことでした。中村さんが家の外に出てみると、津和野の名賀川(なよしがわ)が氾濫し、道路を水が覆っていました。50m先では土砂崩れが発生し、車を走らせる事が出来ず中村さん一家は孤立状態に。翌日、家族自衛隊のヘリコプターによって救助されました。

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中村さん一家は津和野町コミュニティセンターへと一時避難します。その時助けられたのが、全国各地から訪れていたボランティアスタッフでした。

「ヘリコプターでうちの家族が救助される様子が、TVで中継されたそうです。

TVを見た方が、ボランティアとして支援に来てくださいました。熊本から来てくださった女性ボランティアの方がウチの子供たちと良く遊んでくれて、助かりました」

Facebookを災害情報収集ツールに活用

そして2016年4月14日、16日に熊本で記録的な地震が発生します。TVで熊本地震のニュースを見ていた中村さんは、すぐに行く事を決めたそうです。

「ニュースを見た瞬間に“よし行こう”と思った。被災していた当時の事を思い出しました。恩返しするのは今しかないと考えたんです」
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中村さんがまず始めたのはFacebookでの情報収集でした。

「自分が水害で被災した当時は、現地のニーズに対してボランティアや支援物資の供給が合わないことがありました。だからこそ被災者の生の声が聞こえるFacebookを使って、被災の状況を調べていったんです」

すると熊本へ支援物資の活動を行っている投稿を発見。協力することができないか、中村さんはすぐにメッセージを送りました。

「運搬会社に勤めているためトラックはあるので、物資の支援はできます。社長にもお願いしてみたところ、二つ返事でOKしてくれた。すぐに行く準備を始めました」

会社の同僚やFacebookの友達で配送の協力者を募り、津和野町、吉賀町、益田市で支援物資の募集を行います。トイレットペーパー、紙おむつ、洗剤など、トラック3台分の支援物資を集めることができました。

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感謝されるより、大切なこと

物資の支援を行ったのは、大手の宅配業者の供給が行われていない場所でした。

「そういう場所こそ支援が必要だと感じ、益城町の高齢者施設に支援を行いました。その時ある方に涙ながらに『頑張るけぇね』と言っていただいて、僕もついもらい泣きをしてしまいました。偽善でも何でもないですが、感謝されるために支援に行っているわけではない。少しでも被災者の方の少しでも力になること、被災者の方自身が変わってもらうこと。それが支援の目的です。『頑張るけぇね』と、言っていただいた時に、意識を変えることができた、少しでも役に立つことができたんだな、実感することができました」

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感謝の想いを、具体的なアクションを通じて返すこと。自らの行動が、どう相手に反映されるのか。中村さんの被災地支援活動からは、“恩返し”の大切さを学ぶことができるのではないでしょうか。

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