津和野町”草”ボクシング部!【格闘技×マイスター】
人口約8,000人の小さな《津和野町》
ここで、週に一度ボクシングの練習が行われると聞き、取材に行ってみた。体育館を訪れてみると、メインコートではなく、ステージの上で見るからに屈強な男二人が談笑していた。これから殴り合いが行われるとは思えないほど、和やかな雰囲気である。今回はそんな草ボクシング部の練習に、潜入取材をしてみた。
(文/前田健吾)
午後7時の津和野町民体育館のステージ上。
二人の男がバンテージを巻いている。スポットライトが彼ら二人を照らしている。やがて、一人はグローブをはめ、一人はミットを持ち、パンパンバシッ!と乾いた音が鳴り始めた。
何度も同じ動きを繰り返すグローブをはめた男。相手を倒すための必殺ブローだ。
受ける方も身が入ってくる。相手の動きに合わせなければならないからだ。練習からガチンコのボクシング。全身に汗がほとばしっている。
ここ津和野町民体育館では、毎週水曜日に草ボクシング部が練習している。普段の練習は大体3人くらい。時には女性が参加することもある(ミット打ちのみ)。
ちなみに二人とも格闘技経験がある。
赤い服の彼は、アメリカで大男たちと総合格闘技に励む日々であった。現在は、津和野町の畑迫地区で農家として生計を立てている。青い服の彼は、東京で二年ほどキックボクシングのジムに通っていた。それだけでなく、日本拳法などの格闘技をやっていた経験もある。現在は地域おこし協力隊員として、ここ津和野町に滞在している。
津和野が誇る二人のマイスターの他にも、格闘技が全くの未経験でも参加している方もいる。
私も一度ミット打ちだけさせていただいたことがあるのだが、あれは非常に面白かった。自分の思ったような動きができ、きれいにパンチをミットに叩き込むことができたときは、これ以上ない快感である。また、全身の筋肉を満遍なく使うことができ、持久力もついてくるので、運動効率も非常によい。スパーリングに参加する必要はなく、ミット打ちのみでも参加することは可能。
ちなみに今度は「寝技」の練習をするとのこと。もはや何部なのかわからない…