津和野町の小学生と春キャンプ アスレチックとわらじづくりに挑戦
3月30.31日、津和野町子ども会による1泊2日の子どもキャンプが行われました。
町内の小学生同士の交流や、チームリーダーとしての意識を育むことを目的に開催され、小学2年生から6年生の17名が参加。今回はアドベンチャープログラムやわらじ作りに挑戦しました。 文/前田千晶(2016/5)
町内4つの小学校から、子どもキャンプへ
バスに揺られれば、見慣れた街並みがゆっくりと後ろへと流れていく。
子どもたちを順番にひろい、国立山口青少年自然の家へと向かう。
曲がりくねった山道、トンネルをひとつ超え、湖が見えてきたらもうすぐだ。
今回のキャンプの代表者・斎藤さんからいただいた飴玉を頬張りながら、
山々で白い花を咲かせている木蓮へと目を向ける。
およそ1時間後、自然の家へと到着。
車内で眠っていた子も、重いまぶたをこすりながらステップをくだり、オリエンテーションへと向かう。
学校も学年もそれぞれ違う子どもたち。
初めて子ども会キャンプに参加する子は少し緊張しているようだ。
しかし、そんな心配をよそに子どもたちは、あっという間に仲良くなる。
協力し合えばできないことなんてない、地上30センチの綱渡り
昼食後、この日のメインプログラムであるローエレメントに挑む。
今回の課題は、ピンと張られたワイヤーを「全員が端から端まで渡りきること」。
地上約30センチの綱渡りは、一見簡単そうに見えるが、想像以上に足場は不安定だ。
「わぁ!」「くぅ〜〜っ」
1人ずつ果敢に挑戦するも、全員があえなく失敗。足を一歩踏み出すこともできない。
なにがいけないのか、どうすればいいのか。
みんなで意見を出し合う。
「僕が言ったのは「全員」が端から端まで渡ってね、ということだよ。ひとりじゃなくていいんだよ」
いたずらっ子みたいな笑顔で「どういうことか、わかったかな?」
そんな一言を得て、「わかったー!」と子どもたち。
「順番はどうしよう」「背の順がいいと思う」全員でルールを決めてから、もう一度挑戦。
しっかりと手をつないで、お互いの身体を支え合う。今回は無事に全員成功。
そして、さらに距離を伸ばして2回目の挑戦。
「引っ張らんで」「手、離したら落ちちゃうよ」「あとちょっとだったのにぃー!」
そんな声が聞こえてくる。
ワイヤーが長くなったこと、お互いの姿が見えにくくなったこと。
この2つの要因により、難易度は1度目よりも高いのだ。
「もう進んでもいい?」「ちょっと待っとって、あと1人行ったらね」
列の前後で声を掛け合いながら、地面へたくさん足をつけた2回目もなんとか成功。
「ひとりでは出来なかったことが、みんなの力を合わせて出来るようになって嬉しかったです」
「協力して2回とも成功してよかったです。楽しかったからもうまたやってみたい」
その夜に行われたキャンドルナイトで口にする想い。
ひとりずつ、1日を振り返りふぅっとを吹き消す。
昔ながらのわらじづくり体験〜やったことないことをやってみよう
次の日のプログラムは「わらじづくり」
「出来るだけ、子どもたちがやったことのないことをやってみよう」という、斎藤さんの想いがここにある。
自然の家の近くに暮らす、わらじづくりの師匠から教えていただた。
まずは乾燥したワラを2.3本とって、足の指を通らせた紐をくぐらせる。
一回おきに、下へ下へと藁を詰めていくのが綺麗なわらじをつくるコツだ。
この時にわらじを支えている足の指にはワラが食いこむ。
「すこし痛い」そうこぼしながら、小さな手足で黙々と編みづつける。
一度、編みはじめれば自力で進めることは難しくない。
しかし、はじめ、鼻緒つけ、おわりは複雑で、大人でも苦労する。
そのたびに「師匠〜!教えてー!」大きな声がフロアに響きわたる。
「わしりゃが子どもの頃は、そりゃあつくったもんよ、ワラジ。
学校へも履いてっとったしね。今じゃもうすっかり見かけんくなったがねぇ」
懐かしそうに振り返ってくれた。
すべてのプログラムを終え、はじめは緊張していた子どもたちも別れを惜しむほど、すっかり打ち解けていた。
「またみんなでキャンプしたーい!」そんな余韻を残しながら、それぞれの帰路へ。